大前研一さんの著書、「一生食べていける力がつく 大前家の子育て」を読みました。
こちら↓
大前研一さんの子育て術が載った本書。
経済や経営などに精通しコンサルタントをしている大前さんですが、実は父親としての顔も仕事と同じくらい(!?)こだわりをもっていらっしゃいました。
今回は本書を読んで参考になる部分が多々あったので、自分のメモ用も含めて、ブログでも紹介したいと思います!
Contents
大前研一さんは世界で大活躍の人物!経歴を紹介。
大前研一さん、名前は聞いたことあるけど細かい経歴はよく知らない…という方も多いかと思いますので紹介を。
大前研一さんは
早稲田大学卒業後東京工業大学大学院で修士号
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マサチューセッツ工科大大学院で博士号
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マッキンゼー
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独立後、
・UCLAの大学院教授
・スタンフォード大学ビジネススクール客員教授
・オーストラリア・ボンド大学評議員兼教授
・韓国隣家大学国際大学院名誉教授
・高麗大学名誉客員教授
…などなど、世界各国の大学や大企業、国家のアドバイザーとして大活躍されているスーパービジネスマンです。
現在はなんと、更に自ら設立したBBT(ビジネス・ブレークスルー)大学の学長も務めています。
大前研一さんは息子が2人!2人とも事業で成功しています。
大前研一と妻のアメリカ人・大前ジャネットさんの間には息子さんが2人います。
(ちなみに大前ジャネットさんはオーボエ奏者で、大前研一さんがマサチューセッツ工科大学留学中にオーケストラを通じて知り合ったそう!)
以下、息子さんお2人の経歴を紹介します。
大前研一さんの息子 長男・大前創希さんの経歴
1974年生まれ、日本大学工学部中退。デジタルハリウッド大学を卒業。
2002年、ウェブコンサルティング事業を主としたクリエイティブホープを設立。多数の有名企業をクライアントに持ち、従業員は45名。
大前研一さんの息子 次男・大前広樹さんの経歴
1979年生まれ、早稲田実業中学校卒業。
アメリカの高校を卒業後、南カリフォルニア大学中退後。
ITベンチャー企業を経て㈱フロム・ソフトウェアに入社。
ゲーム開発環境の設計・開発やミドルウェアの評価・導入などを担当。
2009年に㈱KH2Oを立ち上げ、次世代のゲーム開発企業を目指す傍ら、ゲームエンジン「Unity」の普及と啓蒙にも力を注ぎ、同社日本法人の立ち上げに貢献。
現在は同法人であるユニティテクノロージーズ・ジャパン合同会社に勤務している。
2人の経歴を見てわかる、安定こそが成功ではない。
世の中で良いとされている
「良い学校へいって、良い大学を卒業して良い会社に入って~」
…という経歴ではなく、どちらも大学を中退されています。
ただ、逆に人一倍自分の決意に責任をもち、人一倍結果を残されています!
もちろん幸せの定義・活躍の定義などは人によって違うかとは思いますが、私が感銘を受けたのは「親ではなく彼ら自身が決めて、彼らが自ら動いた結果で成果を残している」ということ。
世界の色々な国・人や企業を見てきている大前研一さんのことですから、子供も「父親の言うことをきいても安泰だな~」と思ってしまいそうですが(想像の世界)、自分たちの確固たる意思があり、自分で考え、自分の力で結果を残している。
まさに今教育現場で言われている、「これから必要とされている能力」をもったお2人ではないでしょうか。
大前研一さん流の子育てのベースにあるのは「1人で食べていける大人に育てること」
そんな大前研一さんの子育てですが、根底の考えとしては「自分でメシを食える大人に育てること」としています。
つまり、自立です。
大前研一さんは本書で
【「あれはするな、これはいけない」と子供を枠に押し込め、そこからはみ出さないようにしつけることは教育ではなく、調教である】と言っています。
「そしてその「調教」は今の学校で受けさせられている。
親はその型にはめようとする学校教育のダメージから子供の脳を守る、つまり人間本来の柔軟な状態、本能的に考え、判断できる状態に戻してあげることを考えるべきだ」と。
じゃあ親はどのようにしていけばよいのかというと、このように書いています。
人間はなにかをやらせれているときよりも自分の興味があることをやっているときのほうが力がでますし、いろいろと工夫しようとするので頭も鍛えられます。
だから親は子供をよく観察し、何をやっている時が生き生きいしているかを見極め、わかったらそれができる環境を家庭でつくってあげるのです。
本書を読めば色々と具体的な内容・アドバイスが書いてありますが(これに関しては後ほど紹介します)、これが本質。すべてだろうと思います。
ちなみにこれはモンテッソーリ教育でも同じような考え、内容です。
具体的に家でできる教育方法とは
・食事中はテレビを消して家族で会話する
食事中はテレビをつけて、家族で見ながら食べる。もしくは子供だけテレビを見せながら食べさせる…なんて家庭も多いのではないでしょうか。
子供が小さいうちはまだしも、大きくなってくると親子のコミュニケーションは少なくなってくるもの。
ですが、これで親子のコミュニケーション量が格段に増えます。
そして、この食事の時間に子供のやりたがっていることや悩みなどが把握しやすくなります。
大前さんのお家では毎回テーマを決めて話し合うこともやっていたそうです。
ただその場で考えを聞くだけでなく、定期的に自分たちで調べてきた内容をプレゼンテーションさせます。そうすると、プレゼンテーション能力も高まります。
・家族旅行の計画は子供にたてさせる
ある程度の年齢になったら、実際の旅行の計画をたてさせる。
これは本当に実行をするくらい、費用の見積もりなども含めてすべてさせるそうです。
家族に迷惑をかけてしまうので、子供も必死に調べて計画をたてる。
結果、責任感も育つし旅行先の知識も深まるため、旅行の意義が2倍にも3倍にもなります。
当たり前ですが、親はその分、計画させた旅行をできる限り尊重して実行しなくてはいけません。
・小遣い制を廃止して、手伝いなどの対価を与える。
待っていればもらえるお小遣いは廃止。
その代わりに、植木のメンテナンスや掃除などすると対価がもらえるようにする。
例えば業者が磨いたように窓を掃除できたら5000円を払う。
植木を枯らさずに育てることができたら月末に相場相当の対価を渡します。
「きちんと仕事をすれば、それにふさわしい対価を得られる」ということを学ぶためです。
お小遣いは待っていればもらえるので、この感覚は育ちません。
・家族内で投資の運用益を競い合う
これは親もマネーリテラシーを磨く必要がありますが、(とはいっても結果がでれば嬉しい!)家族4人で余裕資金を分割し、1年間の運用益を競います。
例えば余裕資金が40万円だとすると、10万円ずつ分配し、1年間の運用益を比べます。
日本ではあまり投資が浸透していませんが、ユダヤ人の家庭ではこれが当たり前だそう。
・サマーキャンプ・ボランティアに参加させる
リーダーシップを養うためにサマーキャンプに行かせるのもおすすめ。
大自然の中で色々な活動を行うーというのも魅力ですが、なんと言っても「子供同士がチームをつくり、年長者がリーダーとなって2泊3日の遠足を行う」といったプログラムだと更に良し。
アメリカのサマーキャンプはこのようなものが多く、グループワークを通じてリーダーに必要な要素が自然と身につくそうです。
また、サマーキャンプだけではなくボランティアなどもおすすめ。
知識に偏った日本の教育では、公徳心は育たない。
ボランティアはその公徳心(=他人を思いやる心)を養うためにさせます。
たくさんの知識を詰め込んで自分さえよい成績をとれば良いというのではなく、知識よりも大切なものがあるということも教えなくてはいけません。
例えば老人ホームにいって配膳をする、食器を洗う、シーツを取り替える。
または公園のゴミ拾いや公衆便所の掃除をさせる。
そうすることで道徳心のない人がいると、社会でどれくらい他の人が迷惑するかがわかってきます。
環境に対しての配慮などもできるようになってきます。
以上のことから、夏休みは計算問題をたくさん解くよりも、ボランティアやサマーキャンプに行かせるのが良いと大前さんは言います。
・勉強するよりもゲームをさせろ
これはちょっと意外に思う方も多いのでは?
ゲームというのはもちろん「テレビゲーム」のこと。
テレビゲームというと「悪影響」「勉強が手につかなくなる」「引きこもり」…などなどあまり良いイメージをもたなかたも
大前研一さんが本書でおすすめしていたのは「シムシティー」とよばれる経営(?)ゲーム。
市長の役割を担当して市を運営します。
実は私も小さい頃にやったことがあり、限られた税金でどう街づくりをしていくかというゲームなのですが、なかなか奥深いです。
ゴミに予算を使ってしまったら犯罪が増えるかもしれない。いい街は人口が増えるけど、増えすぎるとそれも問題。
社会問題を知るとともに、課題解決の思考プロセスを養うにはもってこいのゲームです。
・子供がやりたいといったらやらせる。
子供がやりたい!といったらやらせる。
それが大前研一さん流です。
子供に「こうしたほうが良いんじゃないか」と提案をするよりも、子ども自身が選択したことのほうがやる気もある、そしてうまくいくということなのだそう。
もちろん親としてアドバイスしたくなったり、「それはやめておいたほうが良い」と思うようなことはあります。
親としては複雑なところですが、やはりそこは勇気をだす時。
子供を信じて任せてみるというのも子供を大きく成長させる1つの要因なのでしょう。
・子供に教えるべき「4つの責任」
生存力の高い大人に育ったとしても、家族や社会に迷惑をかけるような大人になってはいけない。
ということで大前さんが考えたのが、「4つの責任」。
その4つとは
「自分の人生に対する責任」
「家庭をもったら家庭に対する責任」
「会社に勤めたら会社に対する責任」
「国家・社会に対する責任」
です。
この4つの責任さえ果たしていれば、世界のどこにいても、何をやっても生きていける。
ところが、学校ではこういうことを一切教えない。
大前研一さんはこの4つの責任は親が教えるしかないと言っています。
やはり大切なのは信頼関係。そして、やっぱり母親の存在が偉大だとも思う。
世界中で大成功し、息子さん2人も立派に巣立っている大前研一さんは父親としても偉大だなあと感じる一冊でした。
ただ、それも忙しい大前さんのこと。
大前研一さんがどんなに時間をつくっても、ずっと一緒…というのはできません。
短い時間の中でもお互いの信頼関係を築き、その上で上記のような育児方針だったからこそ育児がうまくいったのだと思います。
そして間違いなく妻・ジャネットさんのサポート・実践が欠かせなかったことでしょう。
そして家庭環境が良かったからこその成功かと思いますが、このこだわりはぜひ吸収したいですね。
最後に再度おすすめしますが、今回参考にした本がこちら。
この記事でもぎゅっと詰めましたが、これらのこだわりの背景や他のテクニック(?)などもまだまだのっています。
大前研一さんと息子さんたちのこまかい会話のやり取りや経緯なども赤裸々に語ってあり、とても価値あり!
最後には息子さんからみた大前研一さんの子育てについてのインタビューも載っています。
大前研一さんをよく知らないという方でも楽しめること間違いなし。
おすすめしたい1冊です。
文庫本で安く、さらっと読めるので気になる方はぜひ読んでみてください^^
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